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溶剤系水なし平板インキ用ワニス「EXN-7198」の紹介

EXN-7198(試作品)
ー 溶剤系水なし平板インキ用ワニス ー

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・枚葉オフセット水なし平板インキ用ワニス
・WFBL理論に基づいた設計により、高い耐地汚れ性を実現
・セット、光沢のバランスが良好
・大豆油ベースであるためにソイシール取得に有利

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1、目的

耐地汚れ性(CTI)の向上を目的とし、ストラクチャー樹脂をベースにWFBL理論を導入して開発した「EXN-7198」(試作品)についてインキ化における検証を行う。

2、実験

「EXN-7198」をメインワニスとして紅インキを調整し、市販インキ(溶剤系水なしインキA、B)とインキ物性、印刷適性及び耐地汚れ適性について比較を行う。

(1)サンプルインキの調整
テストロールを使用して40℃の温水を通水しながらインキを調整する。インキの調子についてはタックで10.5-12.5、25℃におけるラレー粘度で500-600dPa.sになるように配合調整を行った。

(2)インキ物性の比較
下記の項目について測定を行った。
・タック
・スプレッドメーター
・ラレー粘度
・バーティカルフロー

(3)印刷適性の比較
下記の項目について測定を行った。
・セット時間
・光沢/転移性(展色濃度)
・乾燥性(アート紙上乾燥時間)

(4)耐地汚れ性適性の比較
予め35℃に保温された水なし平板に画線部から非画線部に掛けてインキローラーでインキを転写し、非画線部に転写されたインキの付き具合から耐地汚れ適性を判断する。地汚れ性はインキの膜厚の影響を受けるためにインキローラーはRIテスター専用ロールを使用した。

実験結果

3.実験結果
(1)サンプルインキの処方

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*1: アクリル板荷重:225g、 *2:インキ量:0.5cc


(3)印刷物適性の比較

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(4)耐地汚れ性の比較(版面温度:35℃)
測定条件:ガラス板の下にラバーヒーターを敷き、ボルトスライダーでガラス板表面温度をコントロールできる状態にしておく。ガラス板の上に水無し平板(テスト版)を置いてセロテープで固定し、版面を加温する。
版面温度が35℃に保たれるのを待ち、RIテスターで6分割ゴムロールにインキを0.05cc漏って30秒ほど運転し、ロール上に均一なインキ膜が出来たら機械を停止する。そのままロールを外して版面まで移動し、画線部から非画線部に向けてなるべく一定のスピードでロールを転がす。
非画線部に転写されたインキの状態を見て耐地汚れ性を判断する。インキの着肉が多いほど耐地汚れ性は悪い傾向となる。

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4.まとめ
今回、「EXN-7198」の性能検証として、標準的な紅インキを試作して市販インキと比較を行った結果、以下のことが分かった。
(1)版面温度35℃での耐地汚れ性は、市販インキよりも良好な結果が得られた。
(2)セット・光沢のバランスは良好で、市販インキ比べても十分仕様できるレベルである。

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